photo 福間海
アクリルガッシュ、ホワイトワトソン
creation:202507
大地の芸術祭にて、塩田千春さんが制作した「家の記憶」を見に行く。
黒い毛糸で埋め尽くされた古民家だった。
展示品の管理をしていた方はこの近辺にお住まいの方で、なんだか嬉しそうに手厚く迎えてくれた。
痩せ型で、分厚いメガネをかけ、少し日焼けした70代くらいの男の人。
大型店では売っていなさそうな、茶色をベースにした奇抜な抽象柄のシャツを着ていた。
2階に上がり、かつての住民が所持していたであろう、古い本を観察する。
「ここはねぇ、昔は30世帯住んでいたんだよ。でも、もう僕を入れて3世帯になっちゃったなぁ。」
一階からその人の声が聞こえる。
「外に出るとね、神社があるでしょう?あそこにある木はね、樹齢500年なんだよ。」
小さな可愛らしい狛犬がちょこんと置かれた、丁寧に管理された神社。
見上げると枝が生い茂って、テッペンまで見えなかった。

Photo by Fukumaumi